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上関 原発 選挙

知人が火力発電関係の仕事をしているため参考になればと、原子力発電で今話題の山口県上関町に一緒に行ってきました。
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折しも原発建設の賛否を問う上関町長選挙投票日の2日前でした。選挙カーが巡って来たり、選挙事務所には運動員が詰めていました。
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上関町は山口県南東部の瀬戸内海に突出した半島の先端の町です。人口は3500人ほど、65歳以上が半分を占める高齢化と過疎の町です。しかしその自然は豊かで、海は深く青く澄んでとても素晴らしい景観です。
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近海は希少な魚類や動物の生息地にもなっているようです。以前NHKドラマ「鳩子の海」の舞台になったところです。
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そのロケーションは本土側の地域と橋を渡った中心地域、その先端の原発予定地の正面に浮かぶ祝島地域に大別されます。ここが「かみのせき」と呼ばれる理由は下関、中関に対しての上関のようです。
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つまり瀬戸内海の海上交通の要であり、戦国時代には徴税と軍事の要衝だったようです。その詳しい説明板が海峡を一望できる上関城山の山頂にありました。この城蹟は電源予定地交付金で整備されていました。
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権益を廻っての激しい戦いが村上水軍と陶氏との間で繰り返された因縁の場所でもあります。
そんな歴史はなかったかのように普段は穏やかな町らしく、港にはのんびりと釣りなどでくつろぐ人たちも見られました。
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この中心部から原発建設予定地に向かったのですが、途中には至るところで立派な道路が建設中というか中断中のように見えました。地元の建設業者らしき工事中の看板がかかっています。
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新築の小中学校や介護施設、温浴施設などが、田舎の過疎の町に似つかわしくなくそびえていました。聞くところによると、電源開発予定地の指定で、温浴施設に9億円、学校に13億円、高齢者施設に15億円など累計で70億円という国や電力会社の金が既に使われたそうです。
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実際に建設に取り掛かればさらに86億円が投入されるそうです。原発の敷地や護岸、設備工事を担う全国大手建設会社の、ジョイントベンチャーらしき工事事務所も建っていました。
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ある集落の入口には写真のような大きな看板が掲げられ、原発建設賛否を巡る30年にも及ぶ激しい攻防を象徴するかのようです。
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島の先端に近づくにつれ車道がくねって細くなり、時間もなく結局たどりつくことができませんでした。

9月23日の選挙の結果は推進派の大勝だったようです。しかし投票率は過去になく低かったようです。選挙後の談話を聞くと、賛成派にとっては県や国の方針の見通しが立たない中で、国による保証や財政支援を求めているように見えました。反対派にとっては選挙結果が出たとは言え上関の常識は全国の非常識だと言っていました。

いずれにしても日本の原子力政策は過去から含めて、民間企業や地元住民に推進を任せており、それが骨肉を争う問題になって荒廃を促進してきた感じがします。火力や風力、潮位発電などで工夫するとか、原子力発電をどう扱うかとか、地方の新規活性化策を打ち出すとかなどについて、国が明確な方針を示さないと今後も同様のむなしい争いは繰り返されるような気がしました。
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